『保健室の死神』読み返した
『保健室の死神』は『週刊少年ジャンプ』で藍本松先生により2009年~2011年まで連載されていたマンガです。
コミックスは全10巻です。
ジャンプ作品にしては短いかもですが、これくらいだから話がまとまって、伏線も回収できて、すてきな作品になったんだと思います。
あらすじ(参考:Wikipedia)
主人公・派出須逸人(はですいつひと)は常伏中学校の養護教諭。顔面がひび割れ、「オバケ先生」などと生徒たち怖がられる。その変わった風貌の原因は、彼の特殊な能力によるものである。その能力というのは、人の負の感情から生まれ、「悩み」や「迷い」に精神的に耐えられなくなった人間の心につけこむ「病魔」を退治する能力である。そんな派出須先生が、保健室によりつくようになった一部の生徒と日常を送ったり、病魔を退治したり、物語終盤には派出須先生の過去と真剣に向き合う、「学園コメディー」である。(ちなみに、単行本の帯には「学園ホラーコメディー」と言っていた。)
まず、コメディー部分がちゃんと笑えます。エロにフォーカスする部分もありますが、『銀魂』のような下ネタはありません。エロに全力を捧げる生徒で準レギュラーの生徒がいて、彼の無駄といえば無駄な努力はほんとにおもしろいし、元気出ますよ!
あ、でも大半はエロではなくただ単におもしろいコメディーです(笑)
キャラクターもひとりひとり個性があって、愛してしまいます。
個人的に推しは藤麓介(ふじろくすけ)くんです。彼はとにかくめんどくさがりで、「俺の代わりにトイレ行ってきて」とか言ってしまう怠け者。
彼は物事をあまり深刻にはとらえず、おおらかな性格で、正反対の私から見ると、元気が出てきます。なにはなくともめんどくさいってありますよね。
この作品にはきっと、好きなキャラ、元気を出させてくれるキャラがいますよ!
そしてなにより設定が面白い。人の精神状態がよくなくなるのは「病魔」のせいというのが、おもしろい解釈です。
ニュースのインタビューで、「あの人、おだやかでこんなことする人ではなかったのに・・・」と言っているシーンをよく見ますが、この作品の中では「病魔」のせいということになります。
また病魔の種類もいろいろいて、とりつかれた人は何かしら能力を発揮するのですが、特に後半に出てくる病魔の能力がなかなか思いつかないようなものなので、すごいなぁと思います。
最後の真剣な(やや)長編では、「正義とは何か?」みたいのも出てくるので、「病魔」設定と合わせて、社会的な意味を感じます。
気になった方はぜひ読んでみてください。